日本画の巨匠・東山魁夷とは
東山魁夷(1908–1999)は、戦後日本画を代表する存在です。美術館のアクセスランキングでも常に上位、展覧会も大人気、関連書籍も数多く刊行されています。
けれども、ふとこんな疑問が湧きませんか?
「で、結局…東山魁夷の何がそんなにすごいの?」
私たちも日々、美術品の査定や取引に関わる中で、「やっぱりこの人はすごいな…」と感じさせられる瞬間があります。
ここでは、その魅力と“なぜいま改めて東山魁夷なのか”を、ざっくばらんに紹介していきます。
東山魁夷の“すごさ”をひもとく4つの視点
1. 世界に通じる風景
西洋絵画に負けない構成力を持ちながら、デフォルメや演出に頼らない。
むしろ、対象を極限までそぎ落として描く静けさが、見る人の心を打ちます。
それは単なる風景ではなく、「心の中にある風景」と呼ぶべきものです。
2. 「東山ブルー」の深みにやられる
魁夷の作品でしばしば用いられる青色は、「東山ブルー」と呼ばれます。
澄んだ湖、夜の森、雪の山道…。青の層が幾重にも重なることで、風景に神秘性と孤高の空気を与えています。

Lithograph
https://www.mutualart.com/Artwork/DAWN/ADD605B150D729023052325DCBC1975B
3. 「ザ・日本の風景」の説得力
風景写真では表現しきれない「日本の美」が、魁夷の画面にはあります。
それは記憶や感情のフィルターを通して凝縮された風景。見る者の中に“静けさの記憶”を呼び起こすのです。

lithograph
https://www.mutualart.com/Artwork/End-of-the-year/91C3CB68EF8100916FFBB48A99BBFF91
4. あの“白い馬”はやっぱり特別!
東山作品に登場する白馬は、彼の象徴でもあり、作品価値にも影響します。
静寂の中にぽつりと現れる白い馬は、魂の象徴であり、自己の分身でもあったと言われます。

lithograph
https://www.mutualart.com/Artwork/White-horse-in-the-forest/92164411094AB583
美術品としての東山魁夷作品
東山魁夷の作品は、美術市場においても非常に明快な評価軸を持っています。
特に以下の2カテゴリーは、査定時の重要なポイントになります。
絹本(けんぽん)作品
絹の上に直接描かれた肉筆作品。いわゆる“一点もの”です。
状態やサイズ、画題によって価格が大きく変動しますが、どの作品にも独自の存在感が宿ります。
もしお手元の作品が絹本であれば、それだけで特別な可能性を秘めています。
木版画・リトグラフ作品などの限定版画
一般に多く流通しているのはこちら。限定部数で制作されたものが多く、現在も高い人気を維持しています。
- 制作元(版元)が明確であること
- エディション番号(限定部数の明記)があること
- サイン(手書きまたは印刷)が確認できること
- 保存状態が良好であること
これらの条件が揃うと、市場でも安定して高値で取引される傾向があります。
東山魁夷・プロフィール
日本を代表する風景画家・東山魁夷(ひがしやま かいい、1908-1999)は、神奈川県横浜市に生まれ、本名は新吉。幼少期に神戸へ移り住み、自然豊かな環境の中で絵を描くことに親しんだと言われます。
1926年に東京美術学校(現:東京藝術大学)日本画科に入学し、1931年に卒業。師・結城素明に師事して雅号を「魁夷」と定め、その後1933年には研究科を修了、さらに1934年にはドイツ・ベルリン大学に留学して美術史を学びました。
第二次世界大戦後、風景画家としての地位を確立。代表作には「緑響く」「白馬の森」「道」などがあり、深い静けさと詩情を帯びた「東山ブルー」とも称される独特の色彩で知られています。
功績も多く、1956年に芸術院賞を受賞、1969年には文化勲章を授与されるなど日本画壇への影響は大きく、1999年5月6日、90歳で逝去しました。

東山魁夷作品の市場評価と、売却のご相談について
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