藤城清治の影絵アートの魅力:人気作品シリーズ解説します

藤城清治(ふじしろ せいじ、1924年生まれ)は、日本を代表する影絵作家です。

光と影を巧みに操り、幻想的な世界を描き出すその作品は国内外で高く評価され、多くのファンを魅了しています。

藤城清治といえば、テレビ人形劇「木馬座アワー」で生まれたカエルのキャラクター「ケロヨン」の原作者としてご存じの方もいるでしょう。

その創作は100歳を超えた現在もなお精力的で、各地で展覧会が開かれ、栃木県那須高原の藤城清治美術館では数千点にも及ぶ作品が常設展示されています。


ここでは藤城清治の影絵アートについて、出回っている主な4つの種類に分けて、その特徴と魅力を分かりやすくご紹介します。作品の入手方法や市場での動向にも触れますが、美術商向けではなく一般のファンに向けた内容ですので、どうぞ気軽にお読みください。

目次

1. オリジナルの影絵作品(一点ものの傑作)

藤城氏は戦後間もない頃から影絵の技法を探求し、剃刀と数百色のカラーフィルター(色彩フィルム)を駆使する独自の方法で影絵を制作。

こびとや猫など愛らしいモチーフから聖書や童話に題材を取った作品、綿密な風景画まで、幅広いテーマで独特の光と影の世界を創り続けています 。

それらはみな、丹念に切り抜かれたシルエットと、色とりどりのフィルム(カラーセル)を幾重にも重ね、後ろから光を当ててスクリーンに映し出すことで完成する一点ものの芸術作品です。

オリジナル作品は、コレクターズアイテムとして非常に貴重です。美術館や大型展示向けの大作から、小さな下絵やスケッチまで様々ですが、市場に出回ることは非常に稀です。実際、オークションに出品されれば数百万円以上の高値が付くことも期待されます。

オリジナル影絵は藤城芸術の真髄を味わえる格別の一品ですが、その希少性ゆえ入手するのは容易ではありません。ただ、藤城氏の作品世界をより多くの人が楽しめるよう、後述する複製版画やライトアップ作品が制作・販売されています。

2. ライトアップアート(光る複製画)

近年の人気は「ライトアップアート」と呼ばれるタイプの作品です。これは藤城清治の影絵作品を複製した発光する版画で、額装内部に照明(主にLED)が仕込まれているのが特徴です。透明なフィルム状の版画を裏側から照らすことで、スイッチを入れると暗闇で原画さながらに鮮やかな光の絵が浮かび上がり、消灯すれば通常の版画として鑑賞できる二通りの楽しみ方ができます。まさに“おうちで楽しめる藤城清治の影絵”といえる趣向で、ファンにとても喜ばれています。

市場動向としてもライトアップアートは安定した人気があります。

☝️照明の動作確認やフィルムの状態が価格に影響するため、売買の際には点灯チェックが重要。

3. リトグラフ・シルクスクリーンなどの版画作品

藤城清治の作品で最も流通量が多く、入手しやすいのが版画作品の数々です。藤城氏は長年にわたり、自身の影絵をもとにした美しい版画を数多く制作してきました。その技法も様々で、リトグラフ(石版画)シルクスクリーンといった伝統的な版画技法が用いられています。

版画と言っても侮れません。

直筆のサインと限定番号が入ったこれらの版画は、藤城清治ならではの繊細な色彩表現と独特の質感を備えており、鑑賞者を幻想的な世界へと誘います。

印刷技術ならではの発色の鮮やかさと、オリジナル作品の雰囲気を損なわない精密さを両立させた見事な版画です。

版画の限定部数は作品によりますがだいたい250部前後のものが多く、中には500部限定のものも見られます。コンディションやモチーフの人気度によっても価格は上下します(例えば桜を題材にした作品や、テーマ性の高い作品は競争入札で高値になりやすい傾向があります

☝️ 藤城版画を購入する際は、エディション番号(何部中の何番か)と直筆サインの有無を確認しましょう。基本的に正規流通している版画には藤城清治本人のサインが入っています。
また、額裏に発行元のシールや保証書が付属していることもあります。

☝️ 売却する場合、証明書類を整えておくことが大事です。

「証明書?何のことだかさっぱりわからないのだけど……!?」

相続に関係するご売却では特に多いケース。

安心してください。状況を伝えていただけたら、大丈夫です。
たくさんの版画作品を扱ってきました。
安心して査定をお任せください。

4. デジタル版画・セット作品(レフグラフファイン版画ほか)

藤城清治の版画には、上記のリトグラフやシルクスクリーン以外にもデジタル技術を用いた複製画が存在します。近年、耐光性や発色に優れた新しい版画技法として採用されているのがレフグラフファイン版画ジクレー(Giclée)版画です。レフグラフファイン版画とは、デジタル出力による版画の弱点だった色あせ(耐光性)の問題を克服するために開発された手法で、藤城先生の版画作品に多く採用されています。

高品質の特殊インクや和紙を使い、長期間飾っても色が劣化しにくいよう工夫された最新の複製版画です。ジクレー版画も同様に、コンピュータ制御のインクジェットで微細な色調を再現する美術印刷で、藤城作品の鮮やかな色彩を忠実にプリントします。藤城清治美術館の解説によれば、ジクレー版画では10色以上の顔料インクを用い、半光沢の仕上がりで影絵独特のイメージを豊かに再現しているとのことです 。

まとめ

藤城清治の影絵アートは、その優しい光と影が織り成すメルヘンの世界で私たちを魅了し続けています。オリジナルの影絵作品は極めて貴重で希少ですが、版画作品やライトアップアートのおかげで、私たちも自宅で藤城芸術の一端に触れることができます。リトグラフやシルクスクリーン、レフグラフやジクレーといった多様な技法で再現された作品は、いずれも藤城清治ならではの繊細な色彩と夢幻的なムードを宿し、日常空間にファンタジーを届けてくれます。

また、101歳(2025年現在)になった今も創作意欲は衰えず、新作発表や各地での展覧会開催が続いていることも特筆すべきでしょう。

藤城清治の作品は年代や技法によって価値が変わるものの、それ以上に時代を超えて人々の心に訴えかける普遍的な魅力を持っています。ぜひお好みの作品やジャンルで、光と影が紡ぐ物語の世界を楽しんでみてください。

参考文献・出典:

  • 藤城清治美術館 公式サイト「光の芸術家・影絵作家 藤城清治」プロフィール  
  • ロイドワークスギャラリー note 寄稿「藤城清治 各種版画 査定鑑定致します」
  • PR TIMES プレスリリース「約100点の作品を展示販売 藤城清治版画展 開催」(大丸東京店, 2020年)
  • PR TIMES プレスリリース「誰もが一度は目にしたことがあるカエルの”ケロヨン”の生みの親!藤城清治氏の版画展を伊勢丹新宿店で開催。」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001045.000008372.html
  • 楽天市場 商品紹介ページ(レフグラフファイン版画 説明文

執筆・監修

井浦 歳和のアバター 井浦 歳和 美術品取引の専門家 (美術商・アートディレクター)

30年以上にわたり、美術品の査定と取引に従事してきました。
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