【平山郁夫の版画】——「リトグラフ」「シルクスクリーン」「木版画」、日本画の精神を受け継ぐ技法たち

日本画の巨匠・平山郁夫(1930–2009)は、「祈り」「シルクロード」「仏教伝来」など、時代と国境を超えたテーマを描き続けたことで知られています。

その精神は日本画のみにとどまらず、数多くの版画作品としても人々の手に届くかたちで広まりました。ここでは、平山郁夫の版画をリトグラフ/シルクスクリーン/木版画という技法ごとに整理し、鑑賞のポイントと、売却・査定のときに見ておきたい点をまとめます。

☝️「版画なのか複製なのか」「どこで作られたものか分からない」という状態でも大丈夫です。お問い合わせの際は分かる範囲の写真をお送りください。

目次

日本画の精神を受け継ぐ【平山郁夫の版画】の技法

1. リトグラフ(石版画)

平山の版画で最も親しまれているメディアはリトグラフだと考えて良いでしょう。オークションの落札結果を見ても、平山作品の版画の中ではリトグラフがかなりの割合を占めています。

リトグラフは、水と油の反発を利用して描線を刷り取る技法で、やわらかな色の移ろい筆致に近いニュアンスを比較的そのまま出せるのが特徴です。平山特有の、砂漠の夕景や伽藍を包む淡い光にはとても相性がいい技法です。

Trip in silkroad under moon, 2002
lithograph
https://www.mutualart.com/Artwork/Trip-in-silkroad-under-moon/7DE6BF7804750081BF7F38F41F0F92DE
  • 価格帯:小〜中サイズで数万円台が中心、図柄やサイズ、発行元によってはそれ以上
  • エディション(何部中の何番か)の記載と直筆サインがあるかを確認
  • マット焼け・ヤケ・シミなど、保存状態がそのまま査定に響きます
  • 発行元の証明書・シールがあれば一緒に写真に撮って送ってください

「このリトグラフ、鑑定ないんだけど……」というのもよくあるご質問。査定時に一緒にお伝えいただければOKです。

2. シルクスクリーン —— 鮮やかな色調でよみがえる“祈りの風景”

次に見かけるのがシルクスクリーン(孔版画)です。版を通してインクを載せる方式なので、色がくっきり出るのが持ち味です。

夕焼けに染まる遺跡、金色がかった砂漠、伽藍のシルエットなど、色のコントラストが要になるモチーフではとてもきれいに仕上がります。

  • 人気モチーフはリトグラフと同じくシルクロード・伽藍・ラクダ隊など
  • 落札・買取のボリュームゾーンは数万円台〜
  • こちらも版元シール・裏面の表示・サインの位置が確認ポイント。写真に撮って送ってください
Camel on desert in sunshine, 1998
screenprint
https://www.mutualart.com/Artwork/Camel-on-desert-in-sunshine/7FADA129039B9125D84FAE9252426439

3. 木版画 —— 伝統技法でよみがえる“日本の祈り”

木版画は全体の点数としては多くありませんが、「日本画家・平山郁夫」の気配が濃く感じられる版種です。

奈良・京都の古寺、仏教遺跡、巡礼の情景など、日本的な静けさをたたえた主題を、版木の手触りと墨のにじみで表現しており、コレクターにも根強い人気があります。

  • 発行点数が少なめで、1点ごとの差が大きい
  • 付属のシール・証明・版元の説明書きがあると真贋確認がスムーズ
  • 版画の中ではやや希少性寄りなので、状態が良ければさらに高評価
Hasedera temple, 1993 Woodcut Prints
https://www.mutualart.com/Artwork/Hasedera-temple/6D922C65E9662F4A85D3ADBD46E36CAA

4. 特装版・ポートフォリオ・記念制作の版画

展覧会や出版記念に合わせて制作された特装版・セット作品・長尺のパノラマ版画などもあります。

これらは制作数が少ないため、「同じものをネットで探しても出てこない」タイプが多く、価格の幅も広いです。

こちらも、写真と一緒にサイズ・紙質・額装の有無・付属書類を送っていただけると評価しやすくなります。

6. 購入時期・購入先が分かると査定がスムーズです

作品を購入した**時期や場所(例:百貨店の画廊・ギャラリー・新聞社の通信販売・美術商など)**が分かると、査定や真贋確認がより正確になります。

平山郁夫の版画は、百貨店や専門画廊に加えて、新聞広告を通じた通信販売や新聞社主催の特別企画版画として頒布された作品も多く見られます。

購入時の証明書や販売店の控え、新聞広告の切り抜き、展覧会カタログなどが残っていれば、写真で一緒にお送りください。
それらがなくても、「〇年ごろに注文した」「デパートの美術展で買った」など、おおよその記憶でも構いません。購入経路が分かることで、発行元や正規流通ルートを特定しやすくなり、作品の評価の精度がぐっと高まります。

7. まずは写真だけでOKです

平山郁夫ほどの人気作家になると、真贋・版種違い・後年の複製などが混ざりやすくなります。

👉 買取井浦は版画を多く扱っているので、最終的に鑑定機関に回す必要がある場合もお繋ぎできます。
「本画じゃないと見てくれないのでは…」というご心配は不要です。

  • 作品全体
  • サイン・エディション部分のアップ
  • 裏面(シール・印刷表示があれば)

この3点があればだいたいのところまでお答えできます。

「これ、版画として評価できますか?」という段階のご相談も歓迎です。

執筆・監修

井浦 歳和のアバター 井浦 歳和 美術品取引の専門家 (美術商・アートディレクター)

30年以上にわたり、美術品の査定と取引に従事してきました。
毎月1,000点を超える美術品を扱い、その経験に基づいた公正な評価を行っています。

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