この記事では、チャールズ・ファジーノ作品の市場傾向と査定ポイントを、美術商として実際に作品を確認する際の視点も交えながら整理しています。
3Dシルクスクリーン、オフセット、ミックストメディア版画、アルミ板作品、ハンドペイント作品など、作品形式による違いや、サイン、エディション番号、額裏のドローイング、保存状態の確認ポイントをわかりやすく解説します。
チャールズ・ファジーノのプロフィール

チャールズ・ファジーノ(Charles Fazzino、1955年〜)は、アメリカ・ニューヨーク州に生まれた現代美術家です。ニューヨークのSchool of Visual Artsで学び、色彩豊かで立体的な3Dポップアート作品によって国際的に知られています。
ファジーノの作品は、シルクスクリーンなどで刷られたイメージを切り抜き、複数の層として重ねる立体的な表現に特徴があります。ニューヨーク、ラスベガス、パリ、東京などの都市風景、スポーツ、映画、音楽、ポップカルチャーのモチーフが、にぎやかに描き込まれます。
また、オリンピック、スーパーボウル、MLBオールスターゲームなど、スポーツやエンターテインメント関連の公式アートも手がけてきました。アメリカの都市文化や大衆文化を、カラフルで祝祭的な画面に変える作家といえます。
作風と代表的な作品テーマ
チャールズ・ファジーノの作品は、鮮やかな色彩、細密な描き込み、立体的な層構造、ユーモラスな表現に特徴があります。画面には建物、乗り物、人物、看板、文字、記号などが細かく配置され、見る角度によって奥行きや影の印象が変わります。


代表的なテーマには、ニューヨーク、タイムズスクエア、ブロードウェイ、自由の女神、ラスベガス、東京、パリ、スポーツ、野球、アメリカンフットボール、オリンピック、映画、音楽、ディズニー、マリリン・モンローなどがあります。
特にニューヨークを主題にした作品は、ファジーノを代表する分野のひとつです。高層ビル、黄色いタクシー、街路、看板、人々の動きなどが画面いっぱいに描かれ、都市のエネルギーが立体的に表現されています。
同じファジーノ作品でも、3Dシルクスクリーン、オフセット、ミックストメディア版画、アルミ板作品、ポスター、グッズ類では市場での見られ方が異なります。まず作品形式を確認することが大切です。
チャールズ・ファジーノ作品の市場での見られ方
チャールズ・ファジーノ作品の市場は、シルクスクリーンやオフセットにラメ、手彩、スワロフスキー、立体加工を加えた3D作品が中心です。今回のデータでも、多くが額装された3D版画で、サインとエディション番号が確認できる作品が中心でした。
価格帯としては、小〜中サイズの3D作品で5万円〜15万円前後が一つの中心です。状態が良く、サインとエディションが確認できる作品では、10万円前後で取引される例が多く見られます。
大型作品や人気主題では、15万円〜25万円前後まで伸びる例もあります。特に「MICKEY WOOD」は42万円、「Only in the subway」は26万円、「Bean town」は25万円となっており、主題やサイズ、見映えが合う作品では評価が伸びています。
ニューヨーク、パリ、ラスベガス、ディズニー、マリリン、スポーツ、野球など、ポップで分かりやすい主題は市場で見られやすい傾向があります。ファジーノ作品は装飾性と親しみやすさが評価につながりやすく、飾ったときの華やかさも大切なポイントです。
一方で、すべての作品が高額になるわけではありません。オフセット系の小品、状態にヤケやシミ、退色、ヨゴレがあるもの、エスティメートがやや強めのものでは、数万円台にとどまる例や不落札例もあります。
また、額裏にサイン、ドローイング、献辞がある作品も見られます。これらは作品の個別性を確認するうえで参考になりますが、最終的には作品形式、主題、サイズ、状態をあわせて判断する必要があります。
チャールズ・ファジーノ作品の査定で確認したいポイント
チャールズ・ファジーノ作品を査定する際は、まず作品形式を確認します。3Dシルクスクリーンなのか、オフセット・ラメの3D作品なのか、ミックストメディア版画なのか、アルミ板作品なのか、ハンドペイントの立体作品なのかによって評価が変わります。
査定時に確認したい主なポイントは、次の通りです。
- 作品形式:シルクスクリーン、オフセット、ミックストメディア版画、アルミ板作品、立体作品、3D加工の有無
- 主題:ニューヨーク、パリ、ラスベガス、ブロードウェイ、ディズニー、マリリン、スポーツ、野球、都市風景など
- サイズ:小品か大型作品か、横長・縦長など飾った際の見映えを確認します
- サイン:画面上のサイン、額裏のサイン、ドローイング、献辞の有無を確認します
- エディション:通常番号、PR、TP、DX、AE、AP、ALU、DYなどの表記を確認します
- 装飾:ラメ、スワロフスキー、イミテーションストーン、手彩の有無を確認します
- 保存状態:ヤケ、シミ、退色、シワ、ヨゴレ、マットのシミ、アクリル面の汚れ、立体部分の傷みを確認します
- 額装:額付か、額裏シールやギャラリーシールがあるか、額内で作品がズレていないかを確認します
特に重要なのは、3D作品としての状態です。立体パーツの浮き、剥がれ、欠損、折れ、額内の埃やヨゴレは、写真だけでは分かりにくいことがあります。
正面写真だけでなく、斜めから見た立体部分、サイン、エディション番号、額裏、証明書や購入時資料、状態が気になる箇所の写真があると、より確認しやすくなります。
ファジーノ作品は、明るく楽しい印象の作品が多い一方で、作品形式や仕様によって価格帯が大きく変わります。査定では、3Dシルクスクリーンかオフセットか、主題、サイズ、サイン、エディション、額裏情報、保存状態を整理し、作品ごとの市場での見られ方を確認していきます。
執筆・監修
- ▸ 2009年、東京都文京区湯島にてロイドワークスギャラリー創業
- ▸ 美術品・絵画の買取/展示/査定/鑑定業務に30年以上従事
- ▸ BSフジ「ブレイク前夜」プロデュース
- ▸ 戦後洋画から近代日本画まで買取/査定実績多数
- ▸ 油彩/パステル/リトグラフ/デッサン/陶板画まで幅広く対応
