香月泰男(かづき・やすお、1911–1974)は、第二次世界大戦でのシベリア抑留体験をもとに描いた《シベリア・シリーズ》で知られる、昭和を代表する洋画家のひとりです。山口県三隅町(現在の長門市)に生まれ、東京美術学校を卒業後、静物や風景を主題とする穏やかな画風で画壇にデビューしました。
戦時下に満州で応召し、終戦後はソ連によるシベリア抑留を2年近く経験します。極寒の収容所で目にした人間と大地の姿は、のちの画業を決定づけました。帰国後、重く沈んだ黒と灰を基調とする画面に、鉱物・仲間・馬・空の一片などを浮かび上がらせる独自の手法で、57点に及ぶ《シベリア・シリーズ》を描き続けます。晩年は黒を純化させた「宇宙」連作に到達し、戦争の記憶を超えて人間と世界そのものを問う境地に至りました。
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香月泰男の買取価格の相場
《シベリア・シリーズ》や「宇宙」連作の本画作品は、状態や来歴が良ければ数百万円から一千万円を超える評価がつくことがあります。静物や花卉、風景などの油彩小品でも数十万円から数百万円、素描・版画は数万円から数十万円が目安です。真贋・保存状態・来歴によって価格は大きく変動します。
査定で評価が上がるポイント
- 《シベリア・シリーズ》や宇宙連作に属する重要作であること
- 香月泰男美術館(長門市)・東京国立近代美術館・山口県立美術館など主要館への出品歴
- 独特の重厚な黒と灰の色調がそのまま保たれていること
- サイン・裏書き・展覧会カタログ・証明書などの付属資料が揃っていること
売却前にご確認ください
香月作品は黒を厚く塗り重ねる画面構造のため、クラック・剥落・カビなどが評価に大きく影響します。ご所蔵の作品にご不明な点がある場合は、お写真2枚からの無料査定にてお気軽にご相談ください。
より詳しい作家紹介と代表作の解説は、note 記事にてご覧いただけます。
