この記事では、ベルナール・カトラン作品の市場傾向と査定ポイントを整理しています。リトグラフ、油彩、屏風作品など、作品の種類による違いや、花・静物・果物などの代表的なモチーフ、サイン、エディション番号、保存状態の確認ポイントをわかりやすく解説します。
ベルナール・カトランのプロフィール

ベルナール・カトラン(Bernard Cathelin)(1919年〜2004年)は、フランスの画家・版画家です。パリ国立高等美術学校で学び、戦後フランス絵画を代表する作家の一人として活躍しました。
油彩画だけでなく、リトグラフなどの版画、タペストリーなども制作し、やわらかく洗練された色彩で高く評価されています。日本でも百貨店や画廊を通じて広く紹介され、多くの方に親しまれてきました。
特に、花や静物を描いた作品でよく知られています。アネモネ、バラ、アジサイ、アイリス、ユリ、果物、花瓶などを、すっきりとした構図と美しい色彩で表現した作品が多く見られます。
日本国内ではリトグラフの流通が多く、比較的目にする機会のある作家です。一方で、油彩原画は数が限られ、リトグラフとは市場での評価が大きく異なります。
作風と代表的な作品テーマ
カトラン作品の魅力は、明るく落ち着いた色彩と、シンプルで美しい構図にあります。強い主張で見せるというより、部屋に飾ったときに静かに映えるような、上品な雰囲気を持っています。
代表的なテーマは、花、静物、果物、女性像、室内風景、南フランスの風景などです。特に花を描いた作品は人気があり、カトランらしさが伝わりやすいモチーフです。
テーブルの上に置かれた花瓶や果物、黒い瓶、陶器、レモン、ピーマンなどを描いた静物作品も多くあります。余白を生かした画面構成と、赤、黒、緑、黄色などの色の組み合わせが特徴です。
カトラン作品は、細かく写実的に描くというより、形を整理し、色の美しさで見せる作風です。そのため、版画であってもインテリア性が高く、日本でも長く親しまれてきました。
ベルナール・カトラン作品のオークション市場の実態
ベルナール・カトラン作品は、国内オークションではリトグラフを中心に多く取引されています。花、バラ、アジサイ、アネモネ、レモン、ピーマン、静物、農家風景など、明るい色彩とすっきりした構図の作品が多く見られます。
一般に流通しているカトラン作品で多いのは、サインとエディション番号が入ったリトグラフです。今回確認できるデータでも、リトグラフの単品や複数点セットが数多く出品されており、数万円台から10万円台で取引される例が中心です。

引用元:https://www.mutualart.com/Artwork/Grande-nature-morte-jaune-et-noire/4AAD59653AE272AB5285FDF815005ABA
一方で、油彩原画はリトグラフとは市場での見られ方が大きく異なります。キャンバスに油彩で描かれた作品では、数十万円から100万円を超える落札例も確認できます。文献に掲載されている作品や、遺族照会確認済みの作品、裏面にサインやタイトルがある作品は、特に丁寧な確認が必要です。

Oil on canvas 38 × 57 1/2 in | 96.5 × 146.1 cm
引用元:https://www.artsy.net/artwork/bernard-cathelin-automne-au-breal
カトランのリトグラフには、PASSERONやP.番号が記載されていることがあります。これは作品を確認するための番号で、作品名、制作年、エディション番号、サイズとあわせて見ることで、作品の情報を整理しやすくなります。
また、カトラン作品には非常に大きなリトグラフや、屏風仕立ての作品もあります。大きな作品は見映えがありますが、保管や展示のしやすさ、ヤケやシミ、波打ち、表具の傷みなどによって市場での反応が分かれることがあります。
市場での見方は、おおまかに次のように分けられます。
- 油彩作品:一点ものとして評価されます。サイズ、制作年、サイン、来歴、文献掲載、状態を確認します。
- リトグラフ:流通の中心です。サイン、エディション番号、作品番号、ヤケやシミの有無を確認します。
- 大型リトグラフ:サイズが大きく見映えしますが、状態や保管のしやすさも評価に関わります。
- 屏風作品:特殊な形状のため、作品部分だけでなく、表具や蝶番の状態も確認します。
- 油彩を加えた作品:リトグラフに油彩が加えられたものなどは、通常の版画とは分けて確認します。
カトランは日本でも親しまれている作家ですが、リトグラフは流通数が多いため、作品ごとに選別が働きます。花や静物など人気のモチーフであっても、状態、サイズ、エディション番号、額装、画廊シールの有無によって評価が変わります。
ベルナール・カトラン作品の査定で確認したいポイント
ベルナール・カトラン作品を査定する際は、まず油彩原画かリトグラフかを確認します。同じカトラン作品でも、原画と版画では市場での価格帯や確認ポイントが大きく異なります。
査定時に確認したい主なポイントは、次の通りです。
- 作品の種類:油彩、リトグラフ、リトグラフに油彩、屏風作品など
- モチーフ:花、バラ、アジサイ、アネモネ、レモン、ピーマン、静物、農家風景など
- サイン:表面サイン、裏面サイン、年記、タイトルの有無
- エディション番号:EA、HC、ローマ数字、通常エディションなど
- 作品番号:PASSERON番号、P.番号などの記載
- 来歴:吉井画廊シール、画廊シール、購入時資料、保証書など
- 文献・確認情報:画集掲載、遺族照会確認済みなど
- 保存状態:ヤケ、シミ、退色、波打ち、シワ、ヤブレ、紙の剥離、額装の傷みなど
特にリトグラフでは、シート全体のヤケや退色、マージンのシミ、波打ち、額装による傷みがよく確認されます。カトラン作品は色彩の美しさが魅力のため、退色やヤケの有無は評価に影響しやすいポイントです。
油彩作品では、キャンバスの状態、絵具のヒビや縮み、修復の有無、裏面サイン、タイトル、年記を確認します。文献掲載や遺族照会確認済みの情報がある場合は、作品確認のうえで重要な手がかりになります。
大きなリトグラフや屏風作品では、サイズや形状も大切です。見映えのある作品でも、搬入や保管、額装・表具の状態によって評価が変わる場合があります。
査定では、作家名だけで判断するのではなく、作品の種類、モチーフ、サイン、エディション番号、作品番号、来歴、保存状態をあわせて確認することが大切です。
ベルナール・カトラン作品の買取でよくあるご質問
Q. カトランのリトグラフは買取できますか?
A. はい。ベルナール・カトランのリトグラフは国内でも流通が多く、査定対象になります。作品名、サイン、エディション番号、PASSERON番号やP.番号、ヤケやシミなどの状態を確認します。
Q. 油彩とリトグラフでは査定額が違いますか?
A. はい、大きく異なります。油彩は一点ものとして評価されるため、リトグラフとは市場での見られ方が変わります。カトラン作品はリトグラフの流通が多い一方、油彩原画は数が限られるため、技法の確認が大切です。
Q. 花や静物の作品は評価されやすいですか?
A. カトランは花や静物の作品でよく知られており、バラ、アジサイ、アネモネ、アイリス、レモン、ピーマンなどのモチーフは作家らしさが伝わりやすい題材です。ただし、作品の種類、サイズ、状態、サイン、エディション番号によって評価は変わります。
Q. PASSERON番号やP.番号が分かりません。
A. ご自身で分からなくても問題ありません。PASSERON番号やP.番号は、カトランのリトグラフを確認するための作品番号です。作品名、図柄、サイズ、サイン、エディション番号、保証書などから確認できる場合があります。
Q. シミやヤケ、退色があっても査定できますか?
A. はい、査定できます。カトランのリトグラフでは、ヤケ、シミ、退色、波打ち、シワ、額装による傷みが見られることがあります。状態は評価に影響しますが、作品内容やサイン、エディション番号、来歴とあわせて総合的に確認します。
ベルナール・カトラン作品の査定・ご相談について
ベルナール・カトラン作品は、リトグラフ、油彩、リトグラフに油彩を加えた作品、屏風作品など、作品の種類によって査定の見方が変わります。特にリトグラフは流通数が多いため、サイン、エディション番号、作品番号、保存状態を丁寧に確認することが大切です。
最初はスマホ写真からのご相談でも問題ありません。作品全体、サイン、エディション番号、作品番号、余白、裏面、額裏、画廊シール、保証書、状態が気になる部分の写真をお送りください。ヤケ、シミ、退色、波打ち、額の傷みなどがある場合も、その状態を含めて拝見いたします。
売却を前提にしていない場合でも、「油彩かリトグラフか分からない」「PASSERON番号やP.番号の見方が分からない」「状態が査定に影響するか知りたい」といった段階からご相談いただけます。作品の価値だけでなく、今後どのように扱うべきかも含めて確認いたします。
執筆・監修
- ▸ 2009年、東京都文京区湯島にてロイドワークスギャラリー創業
- ▸ 美術品・絵画の買取/展示/査定/鑑定業務に30年以上従事
- ▸ BSフジ「ブレイク前夜」プロデュース
- ▸ 戦後洋画から近代日本画まで買取/査定実績多数
- ▸ 油彩/パステル/リトグラフ/デッサン/陶板画まで幅広く対応
