伊東深水のプロフィール・略歴

伊東深水(いとう しんすい、1898年〜1972年)は、東京都深川に生まれた日本画家・版画家です。本名は伊東一。鏑木清方に師事し、大正から昭和にかけて、美人画を代表する作家として活躍しました。
14歳で再興院展に入選し、早くから才能を認められます。その後、肉筆による日本画と新版画の両分野で活動を広げ、特に女性像を描いた美人画によって高い人気を得ました。戦後には日本芸術院賞を受賞し、1968年には文化勲章を受章しています。
新版画では、渡辺版画店との協働による木版画作品でも知られています。現在も国内外の浮世絵・新版画コレクターから評価されており、作品は東京国立近代美術館など国内の主要美術館にも収蔵されています。
作風と代表的な作品テーマ
伊東深水の作品は、伝統的な浮世絵美人画の流れを受け継ぎながら、近代的な感覚を取り入れた女性表現に特徴があります。浴衣姿の女性、髪を結う姿、湯上がり、化粧、舞妓、四季の情景など、日常の中の女性像を品よく描きました。
柔らかな肌の表現、流れるような線、落ち着いた色彩感覚は、深水作品の大きな魅力です。肉筆画では日本画らしい気品ある表現が見られ、木版画では新版画ならではの透明感ある摺りや繊細な色調が楽しめます。
また、人物だけでなく、季節感や空気感を画面に取り込む構成力も高く評価されています。伊東深水は、近代日本の美人画を語るうえで欠かせない作家の一人です。
伊東深水のオークション市場の実態
伊東深水の作品は、国内オークションで本画、木版画、色紙、小品、下絵など幅広く取引されています。中心となるのは、深水を代表する美人画や、舞妓、化粧、季節の女性像を描いた作品です。
本画では、数十万円から100万円台の落札例が多く見られます。条件が揃った美人画では数百万円以上まで評価されることもあり、作品の内容、サイズ、鑑定資料、保存状態によって価格に幅があります。

引用元:https://www.mutualart.com/Artwork/
木版画では、「新美人十二姿」や「現代美人集」などの美人画シリーズが注目されます。渡邊版、ワタナベ印、エディション番号、シートの状態などが評価に関わり、人気作や揃いものでは100万円を超える例もあります。

引用元:https://www.mutualart.com/Artwork/
一方で、伊東深水ほど評価の高い作家でも、鑑定証書や共箱、共シールがあれば必ず高額になるわけではありません。ヤケやシミ、剥落、補彩などの状態、また価格設定とのバランスによって、市場では作品ごとの選別が働きます。
伊東深水作品の査定で見られるポイント
伊東深水作品の査定では、まず本画か、木版画か、色紙・下絵・素描かを確認します。同じ美人画でも、肉筆の本画と木版画、色紙作品では価格帯や確認ポイントが異なります。
本画では、落款、印、共箱、共シール、共板、鑑題シール、鑑定証書などが大切な確認材料になります。特に、東京美術倶楽部鑑定委員会や東美鑑定評価機構鑑定委員会の鑑定証書、浜田台児や白鳥映雪などによる鑑題シールがある場合は、作品確認の手がかりになります。
木版画の場合は、版元、ワタナベ印、エディション番号、マージンの有無、裏面の状態を確認します。シート全体のヤケやシミ、裏打ち、テープ跡、マージンカットなどは査定に影響することがあります。
査定時には、次のような点を確認します。
- 本画、木版画、色紙、下絵、素描のどれにあたるか
- 美人画、舞妓、化粧、季節の女性像などの主題
- 落款、印、共箱、共シール、共板の有無
- 鑑定証書、鑑題シール、鑑題箱の有無
- 木版画の場合は、版元、ワタナベ印、エディション番号、マージンの状態
- ヤケ、シミ、シワ、剥落、ヒビ、補彩、絹本のホツレ、テープ跡などの保存状態
鑑定証書や共箱は重要ですが、それだけで価格が決まるわけではありません。画題の魅力、作品の完成度、サイズ、状態、市場での需要をあわせて判断することが大切です。
伊東深水作品の買取・査定に関するよくある質問
Q. 伊東深水の作品はどのくらいの価格で取引されていますか?
A. 本画では数十万円から100万円台の落札例が多く、条件が揃った美人画では数百万円以上まで評価されることがあります。木版画は数万円から数十万円台が中心ですが、人気シリーズや揃いものでは100万円を超える例もあります。
Q. 高く評価されやすい伊東深水作品はどのようなものですか?
A. 美人画、舞妓、化粧、季節の女性像など、伊東深水らしい主題の作品は評価されやすい傾向があります。鑑定証書、共箱、共シール、鑑題シールがある作品も重要な確認対象になります。
Q. 木版画も査定できますか?
A. はい、査定できます。「新美人十二姿」や「現代美人集」などの木版画は市場で取引されています。版元、ワタナベ印、エディション番号、マージン、シートの状態などを確認します。
Q. 鑑定証書があれば高くなりますか?
A. 鑑定証書は重要な確認材料です。ただし、それだけで価格が決まるわけではありません。画題、技法、サイズ、保存状態、市場での需要をあわせて判断します。
Q. シミやヤケ、剥落がある作品でも相談できますか?
A. はい、ご相談いただけます。伊東深水作品は古い作品も多く、ヤケ、シミ、シワ、剥落、補彩、絹本のホツレなどが見られることがあります。状態に不安がある場合も、まずは現状のまま確認することが大切です。
Q. 写真だけでも相談できますか?
A. はい、写真のみでもご相談いただけます。作品全体、落款・印、裏面、共箱、共シール、鑑定証書、鑑題シール、版画の場合はエディション番号や版元印を撮影していただくと確認しやすくなります。
伊東深水作品の査定・ご相談について
伊東深水の作品は、美人画を中心とした本画、木版画、色紙、下絵など、作品の種類によって評価の見方が変わります。鑑定証書や共箱がある場合でも、画題、技法、状態、市場での需要を確認したうえで判断することが大切です。
写真のみのご相談も可能ですので、作品全体、落款・印、裏面、共箱、共シール、鑑定証書、鑑題シール、版画の場合はエディション番号や版元印、状態が気になる部分などを撮影してお送りください。売却を前提にしていない場合でも、「今どのくらいの価値があるのか」「どのように扱えばよいか」といった段階から丁寧に確認いたします。
執筆・監修
- ▸ 2009年、東京都文京区湯島にてロイドワークスギャラリー創業
- ▸ 美術品・絵画の買取/展示/査定/鑑定業務に30年以上従事
- ▸ BSフジ「ブレイク前夜」プロデュース
- ▸ 戦後洋画から近代日本画まで買取/査定実績多数
- ▸ 油彩/パステル/リトグラフ/デッサン/陶板画まで幅広く対応
