
「親が集めていた絵画があるけれど、価値がわからない」
「相続した美術品を売るべきか、残すべきか迷っている」
「箱や証明書があるけれど、何を確認すればいいかわからない」
美術品の査定や買取のご相談を受けていると、相続した絵画や版画、骨董品について、このようなご相談をいただくことがあります。
相続した美術品は、すぐに処分したり、箱や資料を捨てたりする前に、確認しておきたいポイントがあります。
作品そのものだけでなく、箱、共シール、証明書、領収書、購入時の資料、展覧会資料などが、作品の価値や来歴を確認する手がかりになることがあるからです。
また、美術品は相続財産として評価が必要になる場合もあります。
相続税の申告が必要かどうか、どのように評価するかについては、税理士などの専門家に確認することが大切です。
この記事では、アートを相続したときに最初にすること、整理する前に確認したい資料、査定や売却を相談する前に準備しておきたい写真について、美術商の視点からわかりやすくご紹介します。
すぐに処分しないで!
相続や遺品整理の場面では、家の片付けを急ぐ必要があることもあります。
そのため、「よく分からない絵だから処分してしまおう」「古い箱は邪魔だから捨ててしまおう」と考えることもあるかもしれません。
しかし、美術品は見た目だけで価値を判断しにくいものです。
有名作家の作品でなくても、一定の市場評価がある場合があります。
また、版画や小品、資料性のある作品、展覧会に関係する作品など、後から価値や意味が分かることもあります。
もちろん、すべての作品に高い価値があるわけではありません。
ただ、処分してしまった後では確認ができません。
作品全体、サインや落款、裏面、箱、証明書などをスマートフォンで撮影していただければ、作品の種類や確認すべきポイントを整理しやすくなります。
難しく考えすぎず、まずは一度、写真でご相談ください。
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相続税評価が必要になる場合があります
相続した美術品は、相続財産として評価が必要になる場合があります。
相続税は、遺産の総額が基礎控除額を超える場合に申告が必要になります。
基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算されます。
また、相続税の申告と納税は、原則として、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
美術品や書画骨とうは、同じ作家の作品であっても、作品の内容、サイズ、技法、保存状態、来歴、箱書、鑑定書、証明書の有無などによって評価が変わることがあります。国税庁の資料でも、書画・骨とう等は、箱書、奥書、鑑定書等の有無や鑑定者によって価格に差が出る点が示されています。
そのため、相続税の申告が必要になる可能性がある場合は、税理士と相談しながら、美術商や専門家による査定・時価評価を確認することが大切です。
買取井浦では、相続した絵画、版画、骨董品、美術品について、相続税評価や遺産分割の参考となる時価評価・査定書作成のご相談も承っております。作品写真、箱、証明書、共シール、購入資料などをもとに、美術商の視点から確認いたします。
税務上の最終判断は、税理士・会計士などの専門家にご確認ください。
まずは捨てずに、作品と資料を一緒に残す
相続した美術品を整理するときに、まず大切なのは、作品と一緒に残っている資料を捨てないことです。
絵画や版画そのものは残していても、箱や証明書、領収書、作品リストなどを先に処分してしまうケースがあります。
しかし、美術品の場合、こうした付属資料が作品を確認するうえで大切な手がかりになることがあります。

特に残しておきたいのは、次のようなものです。
・作品の箱
・黄袋、布袋、保護袋
・証明書、鑑定書
・領収書、請求書
・購入時の作品リスト
・ギャラリーや百貨店の資料
・展覧会カタログ、案内状
・額裏や箱に貼られたシール
・共シール、ギャラリーシール
・作家名や購入先が書かれたメモ
一見すると古い箱や紙に見えるものでも、作品の作家名、作品名、購入先、来歴を確認する資料になる場合があります。
箱が傷んでいたり、シールが古くなっていたりしても、すぐに捨てずに、作品と一緒に保管しておきましょう。
作品を動かす前に写真を撮る
相続した作品を整理するときは、作品を移動したり、箱から出したりする前に、写真を撮っておくと安心です。

特に、作品の点数が多い場合は、どの箱にどの作品が入っていたのか、どの資料がどの作品に対応しているのかが分からなくなりやすいです。
まずは、スマートフォンで構いませんので、次のような写真を撮っておきましょう。
・作品全体
・サインや落款
・作品裏
・額裏
・箱の外側
・箱の内側
・箱や額裏に貼られたシール
・証明書、鑑定書
・領収書、作品リスト
・作品が飾られていた場所
写真を撮るときは、作品全体だけでなく、裏面や箱、シール部分も残しておくことが大切です。
美術商に相談する際にも、こうした写真があると、作品の種類や確認すべきポイントを整理しやすくなります。
作家名・作品名・技法を確認する
次に、作品について分かる情報を整理します。
まず確認したいのは、作家名、作品名、技法、サイズです。
とはいえ、最初からすべてを正確に調べる必要はありません。
今はスマートフォンで簡単に記録できるので、まずは作品や資料を写真で残しておくのがおすすめです。
作品本体だけでなく、箱、額裏、証明書、作品リスト、展覧会資料などに情報が書かれている場合があります。
絵画だと思っていたものが版画だったり、版画だと思っていたものが複製画やポスターだったりすることもあります。
また、同じ作家の作品でも、原画、版画、複製画、エスタンプ、ポスターでは評価の見方が異なります。
箱・共シール・額裏は大切な確認ポイント
日本の美術品では、箱や額裏に貼られたシールが重要な手がかりになることがあります。
ギャラリーシール、百貨店のシール、展覧会シール、管理ラベル、共シールなどには、作家名、作品名、販売元、管理番号などが記載されている場合があります。
また、日本画、掛軸、陶芸、工芸品などでは、箱書や箱の情報が重要になることもあります。
相続した方にとっては、ただの古い箱に見えるかもしれません。
しかし、美術品の査定や評価では、作品本体だけでなく、箱や付属資料もあわせて確認します。
箱がある場合は、作品と切り離さず、できるだけ一緒に保管しておきましょう。
額裏のシールも、剥がさずそのまま残しておくのがおすすめです。
分からない場合は、無理に判断しなくて大丈夫です。
作品全体、サインや落款、裏面、箱、証明書などをスマートフォンで撮影し、分かる範囲で資料をそろえておくと、美術商に相談するときにも確認が進めやすくなります。
美術商に相談するときに準備したいもの
美術商に相談するときは、次のような情報があるとスムーズです。
・作品全体の写真
・サイン、落款、エディション番号の写真
・作品裏、額裏の写真
・箱の写真
・共シールやギャラリーシールの写真
・証明書、鑑定書の写真
・領収書、作品リスト、展覧会資料
・作品の点数
・売却したいのか、価値を知りたいのか
・相続税評価や法人資産評価が必要かどうか
写真だけでは最終判断が難しい場合もありますが、最初の相談では、作品の種類や確認すべきポイントを整理する手がかりになります。
点数が多い場合は、「全部を一度に見てほしい」「価値がありそうなものだけ先に確認したい」など、希望を伝えると相談しやすくなります。

まとめ|相続した美術品は、処分する前に確認しましょう
相続した絵画、版画、骨董品、美術品は、すぐに処分する前に、まず作品と資料を確認することが大切です。
また、美術品は相続財産として評価が必要になる場合もあります。
売るか、残すか、分けるかを考える前に、まずは作品の内容と現在の価値を整理しておくと安心です。
買取井浦では、相続した絵画、版画、骨董品、美術品の査定・買取、時価評価、コレクション整理について、美術商の視点からご相談を承っております。
「親が集めていた作品の価値がわからない」
「相続した美術品を整理したい」
「売却するべきか、残すべきか相談したい」
「相続税評価のために時価を確認したい」
そのような段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
美術品は、相続・法人資産・事業承継・オフィス移転などの場面で、価値の確認や整理が必要になることがあります。
作品の査定、時価評価、売却相談、コレクション整理をご検討の方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。



執筆・監修
- ▸ 2009年、東京都文京区湯島にてロイドワークスギャラリー創業
- ▸ 美術品・絵画の買取/展示/査定/鑑定業務に30年以上従事
- ▸ BSフジ「ブレイク前夜」プロデュース
- ▸ 戦後洋画から近代日本画まで買取/査定実績多数
- ▸ 油彩/パステル/リトグラフ/デッサン/陶板画まで幅広く対応
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※税務上の最終判断は、税理士・会計士などの専門家にご確認ください。
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